School
「ばっかじゃないの?」

楓の叫びに近い声。

「前田…口出しするな」

静かに竹田は言った。

「あんたなんか…大嫌い。」

ふつふつと胸に込み上げた思いなのか

さっきまでの八つ当たりなのかは分からない。

「私は…」

続ける言葉がない。

「あんたと1ヶ月
付き合ってられない」

ただ、私が嫌というのを言っただけ。

ぽつんと取り残して悪いとは思ったが

楓と急ぎ足で教室に行った。

「佐伯…毎日来てるな」

「せっ…」

フワとすれ違い様に頭を撫でてくれた。

ニヤニヤと見る楓が嫌じゃなかった。

「美月はやっぱり特別なんだね
…颯が気にかけるぐらいだから」

「どうゆう事?」

「屋上でサボっちゃおうか?」

にっと笑い

「話たいこといっぱいだから。」と楓は付け足した。

隣の席が今さっき大嫌いと言った奴。

教室には行きづらい。

「山崎先生の授業だよ」

「じゃあ…ダメか」

苦笑いしながら教室にいった。

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