School
「目当て?笑わせないでよ」

肩をすくめて私に言った。

本気で好きなのかと思ってた。

「私にはさっきの子達と同じように見える」

「私がどんなに先生好きでも付き合う事は絶対ないから」

この子、危険な橋は渡らないように賢い子なのかも…。

「それは…禁断の恋ってやつでしょ?」

「まぁ…そうなるのかも。席、ここだから」

「あ…ありがとう」

席に座れば周りからの視線。

珍しいものを見るような眼。

壊れ物を見るような眼。

どちらにしろいい見方はされていない。

「美月…だっけ?」

「気安く名前呼ばないでよ」

隣の席の方を見ると足を組んだ女子生徒。

「思ってた通り。プライドの高い人ね」

取り合う気になれず机に突っ伏せる。

「こいつがいないって事は屋上空いてる…蘭、行こう。」

「そうね」

ガタンと音を立てて席から離れたんだと思う。

人酔いしそう…。

チャイムの音が鳴り響き、誰かが号令をする。

暖かい眼をした、優しげな先生が黒板を背に立っていた。

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