男だって恋をする!!
飛鳥ちゃんが向かったのは公園だった。

そこは僕と飛鳥ちゃんが小さい頃に遊んだ思い出の場所だ。

ジャングルジムの色や鉄棒の数、なにも変わらない風景がとても懐かしい。

「おい正樹!そこ座ろっ!」

そう言って飛鳥ちゃんが指差したのは古いベンチだった。

ベンチも昔と変わらない木でできたものだ。

2人でベンチに座ると少しベンチが軋んだ。

そして飛鳥ちゃんが引っ越した後、お互いに何があったか話しはじめた。

飛鳥ちゃんが引っ越した国で大男にケンカに勝ったこと。

なりゆきで髪を染めたこと。

モデルにスカウトされたこと。

僕の両親が亡くなったこと。

兄さんと潤汰のこと。
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