15歳のラビリンス
「そろそろ帰ろっか」
「…そーだね」
場所を移動してまで話す事はない。
それ以上に、少し気まずいってのに。
立ち上がって自転車のカゴにペットボトルを入れた時、公園に自転車の二人乗りが入ってきた。
「あ、せんぱーい。こんにちは~!」
「…やっほー…」
後ろに乗ってた子…ともちゃんが無邪気そうな笑顔で手を振ってる。
ともちゃんはバレー部の2年生。
彩乃を通じて仲良くなった子だ。
だが、前に乗ってたのは近藤さんだった。