15歳のラビリンス
「そんなに好きかよ?あいつは、お前と違う世界の人間なんだよ」
「違う世界って何?どうしてサトルにそこまで言われなきゃならないの?サトルには全く関係ないじゃん」
「関係なくねーって。お前、絶対傷つくからもうやめておけよ。…里美が河村を好きになってどれだけ傷ついたのか俺は知ってんだよ」
里美…その名前が出てきて、私の心がドキッと反応する。
ジンを好きになって傷ついた。
そんなの、人が誰かを好きになれば何かしら傷つくに決まってる。
ジンに近づいちゃいけない理由にはならない。
「そんなの聞きたくない。私は…」
「いいか?とにかくもうこれ以上はあきらめろ」
「ちょっと、サトル!」
私の話も聞かず、自分の言いたい事だけ言って、サトルは教室のほうへと戻っていく。
私はその後を追いかけた。