15歳のラビリンス
階段をのぼっていくサトルの制服のすそをつかんだ私。
「意味がわからないんだけど!そんなに妹の事が大事?!私の存在がそんなに気に食わないわけ?!」
半分八つ当たりでサトルに向かって叫んだ。
うっとうしそうに私の手を振り払うサトル。
「そんなんじゃねーよ」
「じゃあ、どういうつもり…」
サトルを見上げていたら、上からジンが降りてきた。
心の準備すらしていなかった私は、突然の事で驚いて、階段を踏み外す。
「あ、おいっ!」
ガシッと私の腕をつかみ、転げ落ちるのを阻止してくれた。
「あ、ありがとう」
「お前って本当、抜けてるよな。顔からして」
「もう!なにそれ!」
鼻で笑われて、私はムッとしてサトルの手を振り払った。