宿題するから利用して
近藤洋平はわざとらしく背中を叩き、他者からすれば内輪ネタ臭い小話を始めた。
「だって痛かったんだって。サボりたくなるくらい今もばりばり痛いんだって。
はは、なのにあれだ、か弱い彼氏に自転車漕がす気? お前さん恐ろしい方だ! こっわ、」
ほら、甘い作戦に乗っかって同じ空気を共有する二人はお似合いだと言わずに何と呼ぶ?
たいして上手くない田上結衣の言葉の綾をなぞり、近藤洋平は彼女が望むままの振りに適した反応をするその連携プレーは拍手もので、
俺は黙っているしかできなかった。
そして、「こいつ性格わっる。なあ、おーつか、こいつ本当悪魔だよな? 俺って可哀相、あはは」と、
つまらない問いかけを流暢に披露することが、近藤洋平という男そのものの説明にぴったりだった。