宿題するから利用して
ああ、もういいじゃないか。
好きな女の夢が何か分かっているなら、男らしく邪魔にならないよう諦めよう。
俺が時間をかけて吸い込んだ空気で体の内側を掃除するよう巡らせたのと、近藤洋平が首を傾けたのは同時だった。
「あれ、田上さん寝てた? なんか声ちがう、変」
秋の放課後 教室は春爛漫お花畑に世界を変えてしまった。
恋の魔法は視界をピンク色に染めてしまった。
だからどうして遠回しに失恋を痛感させるのか。
仮に彼が確信犯の場合、こちらの歯痒い心境などお見通しで、両思いの今さぞ気分が良いことだろう。
もしかしたら、愚か者の計画を察し不機嫌なのかもしれないが、どちらにせよ俺はあいつじゃないから分からない。