宿題するから利用して

回想をしつこく続けると、これは進路学年集会より更に一ヶ月ほど前の昔話になる。


好きな女の子がそれなりに俺と親交があった男の子と付き合っている微妙な心境の事実を受け入れようと頑張っていたなら、

『結衣GWに近藤くんとお泊りしたんだって! ラブラブだよね?』と、

同じクラスの小崎里緒菜が突然口にした。


それが意味することに、二ヶ月でなんて早過ぎるとどんなに凹もうが部外者なのだから関係ない。

田上結衣と仲良しの彼女が言うには事実に間違いないため、俺は約三十日前から知っていたのに、

あの時の自分は近藤洋平の口から決定的な真実を聞きたくなかった。


どこかで小崎里緒菜の発言を否定し、高校二年生の田上結衣は入学式で見た田上結衣のまま真っさらな子だと信じたかった。

< 172 / 229 >

この作品をシェア

pagetop