宿題するから利用して
意思のないお人形が、だんだん泣き顔に見えてくる内容に変わりつつあった時、
『人の彼女で妄想とか可哀相で罪悪感だわ、俺だけ幸せじゃん、俺だけ勝者じゃん』と、近藤洋平はへらへら言ってすぐに、
『俺ってば最近幸せ太りしたと思いませんか?』と続け、
まったく出ていないお腹を叩いて話の主役を自分に向けようとした。
しかし、皆はやっぱり田上結衣が大好きだから効果はなくて、
相変わらずお人形をドールハウスのベッドに寝かせることばかりを繰り返していた。
あの子の終わらない話に痺れを切らしたのかなんなのか、足が痛いと呟き、
膝を叩く音に紛れてあいつが一回舌打ちをしたのを俺は知っている。
そういえば、あの時はまだ指輪をしていなかった。