宿題するから利用して

二人だけの世界だとばかりに談笑するカップルは、

噂によると一年のホワイトデーから付き合うようになったらしい。

……俺が告白をしてすぐ後のこと。


教室の入口を塞いでいる彼氏が彼女の頭を教科書で叩いている。

例えば自分が近藤洋平なら、今どんなに満たされていることだろうか。

田上結衣を彼女にできるなんて羨ましいばかりだ。

あいつと自分の何が違うのかと、考えても無駄なことで悩んでしまう。


「お似合いだねー?」と、小崎里緒菜が目を細めて妖艶に笑うから、居心地が悪い。

彼女は典型的な女子高生同様、あからさまにメイクをしているから、

少し怖い印象を受ける為、非常に勿体ないと上から目線なことを思ってしまう。

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