宿題するから利用して


――――俺は愚か者なのかもしれない。

苛立ちをこめたボールは、結構なタイミングを駆使して壁にぶつかった反動から大嫌いな男の顔面に激突していた。


「…………え、」

顔を抑えて再び倒れた近藤洋平――いくら嫌いだからと言え、まさか暴力を振るうつもりもなかったので非常に申し訳なく感じた。


どうしようを八十七回、頭の中で呟いた時、

「加害者ー、被害者を保健室連れてけ」と、先生の声がかかる。

体育館は広い癖に狭いから、いざという時に動きづらい為なんだか困るものだ。


とことん最低な奴かもしれない。

田上結衣がときめく顔なんて崩れたら良いのにと思わないと言うことは、

十八年間一度も約束を破ったことがないと嘘をつくことと同じになる。

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