宿題するから利用して

クラスメートによると寝起きの咥内は清潔ではないらしいのに、恋人は口づけがおはようの挨拶なのだとか。

それは信じられない事実であり、もう高校三年生なのにカップルについてはよく分からない俺だ。


好きで好きで、ずっと好きだった。
どうしてこんなに彼女を好きなのか、勉強ができようが恋愛ならさっぱり答えを出せない。



「起きて」

結局机一個分の距離を保ったまま、どうしようもなくヘタレな自分らしく話しかけていた。

疲れているのか深い眠りにつく少女――近藤洋平は田上結衣をいつもこんな風に穏やかな気持ちで眺めているのだろうか。

まつ毛のカーブが女の子らしくて、ただ目の前に居るだけで可愛い。

可愛い人は狡い、ときめかすばかりして毎日、いや一時間、いいや一分一秒経つごとに恋をさせる。

< 62 / 229 >

この作品をシェア

pagetop