宿題するから利用して
ゆっくりと茜色に染まる世界は黒の存在感が高まり、判断力を鈍くする。
塾の時間があるから早く鍵をして帰りたいところだが、約二時間近く眠っている田上結衣が居る為困ってしまう。
「……寝過ぎ」
遡ればお昼のことになるが、やっぱり弟の運動会の話は嘘で、大嫌いなあいつに昨日たくさん愛されたから、
この子に疲労が溜まっているのかと勘繰ってしまう。
そんな推理は馬鹿ではないから馬鹿げていると分かっているのだが、
片思いの子が違う男に触れられているなんて嫌で嫌で不快になる俺は、
やはり正真正銘不気味な馬鹿者なのかもしれない。
馬鹿を自覚しても馬鹿を貫く自分に自分で引く一方だ。