宿題するから利用して
大塚という人間に好かれていると知っているにもかかわらず、愛しい子は故意に他の女を紹介してくる。
田上結衣が好きだった。
日陰が似合う俺にも態度を変えず笑ってくれて、ちゃんと名前を呼んでくれて遅い初恋をくれたのに、
彼女ときたら自然と近藤洋平の恋人になってしまっていた。
あいつより俺の方が愛は百億万倍で深いのに、あんまりじゃないか。
今もポケットの中に手を突っ込んだまま退屈凌ぎに上体を揺らす少女のふわりとした笑い顔は魅力的で、
そうやっていつだって大切なものを隠す癖はあいつにそっくりだ。
ついこの間まで他人だった二人なのだから、無意識な愛を見せ付けないでほしい。
衝動だった。
馬鹿なことをした。
でももう限界だった。
平常心を保つとか冷静になるとか理性に従うとか、感情を抑える機能を喪失してしまって――