宿題するから利用して

『おーつか君さ、まだ彼女ほしくないんだ?』


電気をつけていない教室にやたら彼女の破壊力ある歌が響き、暗に俺を殺そうとしてくる。

田上結衣をこんなにも渇望しているというのに。
可愛い唇が愛しい倍に憎たらしかった。

「愛美オシャレじゃん? 良くない?、里緒菜も。愛美とか里緒菜とかおーつか君に合いそうだけど。クリスマスとかさ、Wデートしたいね? 里緒菜とか。あはは」


山瀬愛美、小崎里緒菜。
二人は田上結衣の親友。
そう、告白した相手に彼女候補を仄めかされて一年半の間大塚という男に生き地獄を味わわせるのは、

近藤洋平という彼氏がいる田上結衣という天使。

光る指輪。愛の証拠。失恋の証明。嫉妬の象徴――あんまりじゃないか。

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