宿題するから利用して

馬鹿は馬鹿でも恋をしている馬鹿者だから好きな女の心の中など読めている。

あの子は明日も明後日も来年もあいつが好きで、あいつだけが好き。

そう、田上結衣の趣味は近藤洋平への一途さで、田上結衣の特技は近藤洋平への本気さだ。


従って、叶わない恋をする俺は彼氏が居るとか両思いとか関係なくて、単純に好きだから好きだと叫ぶしかなかった。

この気持ちをどうか受けとってほしい。


けれども憧れの人に好きと告げた途端、どうして少女の横に存在しない例の少年の姿が浮かぶのだろう。

いつだってセットの恋人――あいつの幻影など、これではどちらに惚れているのか分からないじゃないか。

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