宿題するから利用して

机半分空いた距離。
真っ赤に塗られていた夕方の空は紫色に変わり、徐々に夜を運んでくる。


俺は田上さんが好――ちょうど十文字を音にしていたと同時に、

「近藤君も言ってたよ! おーつか君に里緒菜とか愛美とか彼女できたらWデートしたいって」と、

凄く笑顔で遮られていた。
可愛い可愛い俺が大好きな笑い顔で。

告白なんて聞いてませんとばかりに和やかな表情をしている田上結衣は可愛らしい。


「、……」

酷いじゃないか、一生懸命想いを伝えようが無意味だなんてあんまりだ。

何も影響しない恋心をどうやったら壊せるんだ? いつまで報われない恋にしがみつけばいい?

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