宿題するから利用して
つくづく近藤洋平はうざったい奴だ。
なぜなら、想いを寄せるからと仮に無理やりお姫様の甘い声を引き出した場合、
それは俺が大事にしてきた片思いの破滅と汚染を知らせる警報音になるだけで、
あまりに醜い人間性なのだと、近藤洋平は自分を想う田上結衣の恋する瞳をもって叱ってくるからだ。
そして、好きという心もからだもあの子に与えるのは自分だけしか喜ばれないのだと、
恋人の効果で口角が上がる田上結衣の唇をもって自慢してきやがる。
だから性格も髪の毛も価値観も声も考え方も爪も恋心も膝も全部全部、
田上結衣という存在自体が好きな人に恋をしている結果であり、
つまり俺が知っている彼女は確かに彼女なのだが、
もはや近藤洋平そのものに影響されているという皮肉な話になる訳だ。