五里霧中
ボクが言いたいのは、こんなことじゃないんだ―――。
「だからどうした?鬼の首を取った気分だったかも知れないけど、それは間違いだ。
ボクはそんなことでは動じないし、傷心したりしない」
「な、なんだよ!捨て子のくせに!」
「威張ってんじゃねーよ!」
騒ぎたてる取り巻きたちの中心で、彼は静かにボクを見下ろしていた。
初めからわかっていたと言うことで自我を保とうとするボクを、
彼は悠然と“見下ろしていた”。