五里霧中



「クロ、夕飯のことでちょっと相談」


そう言うと、クロは大あくびをして、退屈そうに僕を見た。



少女の名前はクロ。


僕が名付けた。


というのも、初めて彼女を紹介されたとき、クロには名前がなかった。


言葉さえ知らなかったのだ。


どんな育て方をされていたのかは一目瞭然。


僕は即決で彼女を引き取った。



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