五里霧中



それは自分に言い聞かせているようでもあった。


これが私の決意表明だ。


もし騙されていたとしても、悔いはない。


どうせこのままここにいても警察に捕まるだけ。


いくら少年法があったとしたって、殺人は重罪だ。


だったらいっそのこと人生を賭けてみてもいいじゃないか。



私は俯いていた顔を上げて、兄の手を強く握った。


驚いたように兄がこちらを見る。


でも無視した。


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