五里霧中



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彼女はオレの隣で静かに寝息を立てている。


その小さな掌にはたくさんのどんぐり。


普段は冷淡に振る舞っているものの、実は精神年齢が低いのかもしれない。


あの男の言った通り、少しは慰安になったんだろう。


かなり不本意だが。



彼女が拾った木の実や落ち葉をかき集め、部屋で見つけた缶箱にしまう。


ふーっと小さく息を吐き出すと、カイルが薄らと目を開けた。


起こしてしまったらしい。


オレは優しく微笑み、カイルの髪を撫でる。



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