五里霧中
ヒュンッ
今度は物理的に鋭利なものが耳元を掠めた。
彼女の隠し持っていたナイフが背後の木に突き刺さる。
それでも僕は何も言わず、ただじっとレイを見つめていた。
「……そうだよねー、あと二年だよ。もう時間がないんだよ、レイ」
「わかってるよ、レイ。でもさ、だからどうするの?時間は止まらな
レイが勢いよく僕に抱きついてくる。
時間じゃなくて心臓が止まるかと思った。
ほら、僕ってそういうお年頃だから。