五里霧中



―――――――――――――――――――――



松葉杖をついて外に出る。


もちろん外出許可はおりてないけど。



「まぁ、必要事項だからいいでしょ」


独りごちてから、ゆっくりと歩き出す。


迷うことなく、足と杖を前に進める。


前まではなんとなく誰かの糸に操られているような気がしていたけれど、今は確信できる。


僕は、自分の足で、自分の力で終わらせる。



< 334 / 351 >

この作品をシェア

pagetop