月夜に舞う桜華



『だからずっと一緒だ!』




『……………そうか。』


刹那、楽しそうな笑みが寂しそうな笑みに変わるのを確かに見た。それは一瞬のことですぐに掻き消えてしまった。


『お前達は一生あたしの側にいるのか?』

『桜姫が嫌と言ってもな!』

『桜姫の側にいるぞ』

『死ぬまでな』


胸を張って主張する三人に呆れる。
桜姫の目が三人から俺に、向けられて、首を傾ける。


『司は?』

『勿論』


言い出しっぺが嘘をつくわけないだろ?


『……………そうか。』


それも、いいかもなと桜姫は苦笑した。
















そして、その1ヶ月後。




桜姫は、俺達の前から消えた。




桜姫は、死んだ。


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