月夜に舞う桜華



ただ一つわかっているのは、ここは桜姫の皇蘭じゃなくなるってことだ。


(ここは、俺の居場所じゃなくなる)


助けてもらったが、俺は、桜姫についてきた。その桜姫がいないならここにいる理由もなくなる。


俺は、立ち上がると、丁度話が終わってこっちに向かってくる和と目があう。


『司』

『和………』


小さく笑って俺は歩き出す。


すれ違い様に俺は、足を止めた。


『和』

『どうした?』


前とは違う声色に俺は、心の中で溜め息をついた。
変わってしまったんだな、と思った。


『俺、抜けるわ』

『………あ?』

『桜姫いないし、和には悪いけどな』


桜姫以外の下にはいたくないんだ。


返事は聞かない。もう決めた事だから。


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