月夜に舞う桜華



『…………そうか』


和も別段何かを言うわけでなく、一言そう返事をした。


俺は、溜まり場を出て空を見上げた。
あの日とはうって変わって快晴だ。


(…………うしっ)


先は見えないけれど、真っ暗な訳じゃない。


(………桜姫、待ってろよ)


必ず探し出してやる。
何日、何ヶ月、何年経っても。
俺は、桜姫の側にいると誓ったのだから。


『おい!!』


一歩前に踏み出そうとしていた俺は、呼び止められて肩越しに振りかえる。


そこには、不機嫌そうな智詩、雅紀、潤の三人が立っていた。


『何だよお前ら?』

『…………』


三人は無言で歩を進め、俺の前で止まる。


『桜姫は、何処に行ったんだ?』

『………さぁな』

『嘘つけ!知ってるだろ!』

『…………』



あぁ、こいつらも俺と同じだった。


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