アクシデントな恋
大蔵が席に着くと、司会進行を野木が行った。
「では、臨時役員会を開催いたします。
今日の議題ですが…
皆様もご存知の通り、西城病院の今後をスキャンダルの多い龍様に任せていいのか?
と 疑問視する声が大きく…このまま龍様を会長の席に着かせ、西城病院の医院長にするのはどうかと思い皆様の意見を聞きたく集まって頂きました。」
野木がここまで言うと会議室のスクリーンに学園祭の時に掲示板に貼られた写真が写しだされた。
すると…
役員の人達から色々な声が上がった。
「婚約者のある身で、ふしだらな…」
「病院の名前にキズがつく…!」
など…
色々な罵声が上がる中
外科部長が
「今、そんな事を言っていても仕方ない。
単刀直入に医院長に申し上げます。
ご子息様は龍様だけではありません。
アメリカの大学で心臓について素晴らしい研究を上げていた潤様の方が適任かと思いますが。」
外科部長の言葉に皆から拍手があがった。
そのやり取りを目を瞑りながら聞いていた大蔵が
「皆様の言いたい事はわかりました。
私にも色々と考えていた事があります。
皆様の言う通り、龍は騒ぎをおこしました。
しかし、この件に関しましては誤解もあります。
申し訳ないが、この件に関して少し時間を頂きたい。婚約パーティー近々あるのは皆様ご存知だと思う。
それが終わり次第、皆が納得行く結論をだしたい。」
大蔵が皆の前で深々お辞儀をした。
そんな大蔵にほとんどの人が大蔵に一任をした。
何か言いたげな人もいたがそこは抑えて会議は終了した。