スミレ限定―リミテッド―



そして、17歳の今でも君をさがしている。



このすみれ畑で、



あの時のように君があたしの前に現れるのを待っている。



「…~♪……ふぅ」



歌い終わったあたしは一息ついて辺りを見回した。



いるわけないよな…



「…やっぱ、好きだったのかなぁ」



そうつぶやいた時だった、



「誰を」



「っっっ!!!」



びっくりして声も出ず―――



なんて、なにもかもがあの時と同じで、



もちろん次のあたしの行動も一緒だった。



「ス…」



「ははっ、久しぶり花菜瑠。なんも変わってねぇなー、お前」



そう言って笑うスーこそなにも変わってなかった。





< 4 / 5 >

この作品をシェア

pagetop