スミレ限定―リミテッド―
そして、17歳の今でも君をさがしている。
このすみれ畑で、
あの時のように君があたしの前に現れるのを待っている。
「…~♪……ふぅ」
歌い終わったあたしは一息ついて辺りを見回した。
いるわけないよな…
「…やっぱ、好きだったのかなぁ」
そうつぶやいた時だった、
「誰を」
「っっっ!!!」
びっくりして声も出ず―――
なんて、なにもかもがあの時と同じで、
もちろん次のあたしの行動も一緒だった。
「ス…」
「ははっ、久しぶり花菜瑠。なんも変わってねぇなー、お前」
そう言って笑うスーこそなにも変わってなかった。