君を想うとⅢ~True love~
選ぶ…って…、伊織が選んだのはアンタじゃねぇか。
俺を『涙の沖縄傷心旅行』に連れて行った原因はアンタだろうが。
「選ぶも何も…、伊織が好きなのは部長です。俺はそんなアイツを見守るだけです。」
俺の幸せは伊織の幸せを見守るコト。
あの時の俺はそう自分に言い聞かせて、アイツと向き合うことから逃げていた。
部長に敵うハズなんてない。
自分が傷つきたくない一心でそう思い込もうとしてたんだ。
だけど…、
部長はそれを許さなかった。
「藤堂、俺は高宮と一旦距離を置くから。」
「…はあっ!!??」
な、何なんだ!!
この人は何を言い出すんだ??
呆気に取られる俺を見ながらクスクス笑うと
「ま、詳しい話はまた後で。とりあえずお前は高宮をCobraに誘えよ?」
部長は完全に話をはぐらかしてしまった。