君を想うとⅢ~True love~
なにもかもお見通しだ
そう言うかのように、祐吾は俺に断言する。
悔しい。
全部見透かされてるみてぇですっげぇ悔しい。
でも…悲しいコトにそのとおりなんだよな…。
俺は亜美のいいところは沢山見つかるんだけど、イヤだったところは伊織と同様見つからねぇ。
別れ方はどうであれ、付き合ってる時はお互いに幸せでそれなりに楽しかった。
多分、伊織に出会わなければ亜美とはそのまま結婚してたと思う。
嫌いで別れたワケじゃない。
ただ…自分に嘘をつきたくなくて。自分の気持ちに正直でいたいが為だけに亜美と別れた。
ほんと…ヒデェよな…。
俺は理性よりも自分の気持ちを優先して、結果は亜美をこっぴどく傷つけた。
ヒドイやつ。
そんな俺が亜美にどうこう言える義理はねぇだろ。
俺はハァ~とため息を吐くと
「亜美に対してどうこう言う気持ちは全くねぇよ。別に…イヤな所なんて何一つなかったからな。」
そう言ってビールをグビッと喉に流し込むと
「ま…、秀人ならそう言うだろうな。」
祐吾は俺の答えに満足げに微笑む。