君を想うとⅢ~True love~



亜美は好きだった女。

伊織は猛烈に欲しいと思う女。

一ノ瀬は…その友達。







昔から伊織と一ノ瀬は1セットで。
何をするにもドコに行くにも伊織の口から出るのは一ノ瀬の話ばかり。



それに付け加え伊織と俺、一ノ瀬は同じ水泳部。
イヤでも毎日顔を合わすし、イヤでも放課後の部活の時間を付き合うコトになる。




そんなこんなで…
俺はアイツのコトについては見たくもねぇ裏の部分の隅から隅まで知り尽くしてしまうハメになってしまうんだ。








「アホか。アイツとは変に付き合いが長いからな。隅から隅まで知り尽くして当然だろ?」






そう答えると







「どんなに長い時間を過ごしても伊織ちゃんには向き合えなかったのに??」








祐吾はニッと笑って、こんなイタイ一言を口にする。









「秀人、お前が伊織ちゃんを好きな気持ちはよくわかる。

でもな…
自分のイヤな面も見せられない、相手のイヤな部分も見つけられない、そんな薄っぺらい関係しか築けない女は…。
どんなに好きでも愛していても、幸せにはしてやることは絶対できないよ。」





祐吾はあくまで冷静に。
俺の瞳を見つめながら言いきった。



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