君を想うとⅢ~True love~
「桐谷…慎……。」
お気に入りのスーツに
大好きなマルボロのメンソール。
私の目の前に現れたのはコレでもかってくらいに、私のドストライクな格好をした、桐谷慎。
「まったく。
たかだか26年しか生きてない小娘が人生語るなんて100年早いぞ。」
「だ、だって……」
言い訳をしようと口を開くと、桐谷慎はにっこり笑ってこう言った。
「諦めるな、高宮。
俺を幸せにしてくれるって…お前は約束してくれただろう??」
その言葉に体中が震えて、ブワっと涙がこぼれ出る。
「待ってる、高宮。俺はお前をずっと待ってる。そう…約束しただろう??」
その言葉を最後に
桐谷慎の体がどんどん上に上がっていって、体がどんどん薄くなる。
――待って……!!私を置いていかないで…!!
痛むからだと遠ざかる意識にムチを打って
思いっきり彼に向かって手を伸ばすと…
私の体は、見えない力で急速に引き戻されて、まぶたの裏が痛いくらいにまぶしく光る。
「高宮さん……!
先生!!高宮さんが!!」
目が覚めたそこは、真っ白な病室だった。