君を想うとⅢ~True love~
定まらない、ふわふわしていた思考が段々形作られて。
ばらばらに飛び散っていた私のカケラがシュッと1つ1つまとまりを見せてきたとき、私はやっと目が覚めた。
ピ・ピ・ピ・ピ…
カラダに取り付けられた点滴と、無機質な機械音は相変わらずだけど……
さっきより意識レベルはハッキリしている。
「高宮さん、目が…覚めましたか??」
看護婦さんが優しい顔をしてにっこり微笑む。
「ほんと…不幸中の幸いですよ。
あんなに大きな事故だったのにコレだけの怪我ですむなんて…。」
「え??」
「脳波にも異常はないし、擦り傷と、肋骨の骨折だけ。
普通なら……、もっとひどい怪我で今頃集中治療室の中ですよ?」
そう言って。
看護婦さんはゆっくりと私の隣に座る。
「きっと骨折の痛みとショックで貧血を起こして気を失っていたんだと思うんですが……、気分はどうですか??」
「あ…今のところは大丈夫です。」
そう答えると看護婦さんはニッコリ笑って
「わかりました。じゃぁ先生を呼んできますから、少し待っていてくださいね。」
そう言ってゆっくりと席を立った。