君を想うとⅢ~True love~
カバンを取ろうと右手を伸ばすと
「……っ、たぁ……っ。」
腕を伸ばしただけで、胸に激痛が走る。
うぅっと体を丸くさせながら、痛む肋骨にそっと手を当てる。
いつも当たり前にできたことさえ、痛みのあまりに何もできない。
なんで!?
なんで携帯を取ることさえできないの!!?
言うことを聞かない自分の体にイラついて、グッと手のひらを握り締める。
「……言ったでしょう。
骨折を甘く見ないでください。
肋骨をあなたは折ってるんですよ?自由に動くことなんて出来るハズがない。」
先生はハァとため息を吐きながら、冷たい瞳で私を見つめる。
「それにね。病院では指定の場所以外で携帯電話は使えません。
電波が精密機器の誤作動を起こさせますからね。」
その言葉を聴いて
私は愕然とする。
「そんな……」
「わかったでしょう??あなたはココから動くことは出来ません。
誰かの助けなしには動くことは不可能でしょう。」
「だ…ダメ!!
私には行かなきゃいけない場所があるんです!!」
そう言って、
私は必死の想いで、握力の効かない左手で先生の腕を掴む。
「おねがい…!!私を…携帯の使える場所まで連れて行ってください!!」