君を想うとⅢ~True love~
そう言って。
藤堂センパイは頭をポリポリと恥ずかしそうに掻く。
『きっと…さ??伊織の近くには一ノ瀬がいるから淋しくないだろうけど。
馬鹿な俺じゃぁコレくらいしかオマエの力になれることって、思い浮かばなくって。』
『しゅーちゃん……。』
『伊織。
部長が見つかるまで、俺はその子の父親代わりだ。
近くにいなくて申し訳ないけど……さ??
部長と同じくらい…いや、それ以上にその生まれてくる子を愛してやるから!!』
う~ん。
今思えば、トンチンカンにも程がある。
なにがどう解決になんのかはわからないけれど、藤堂センパイは伊織の選択をどんなことがあっても応援するって形で、罪を償おうとしているみたいだった。
冷静な男前オンナのあたしから見たら、つまんない解決の仕方。
でも、単純で素直な高宮伊織にとっては、何よりも嬉しい言葉だったようで。
『ありがとう、しゅーちゃん。
本当にありがとう!!』
伊織は本当に嬉しそうに微笑んで。
センパイに大きくなったお腹を嬉しそうに見せていた。