君を想うとⅢ~True love~
「じょ、冗談言わないで。
そんな大切なこと…冗談で言われたらさすがにあたしも……」
夢にまで見た、藤堂センパイのこのセリフ。
ずっとずっと向けて欲しいと願っていた瞳。
だけど……
コレは真に受けちゃいけない。
センパイにとってあたしはその他大勢の女友達でしかない。
だって……知ってるから。
未だにセンパイは、伊織を切なそうな瞳をして見つめてること。
みてるこっちが呆れるくらい、とろけそうに優しい瞳をして伊織を見てること……あたしは誰よりもよく知ってる。
だから……
こんなこと冗談だってわかっていても、つらすぎる。
いつもみたいに笑って、サラっとはかわせない。