君を想うとⅢ~True love~



「う…そ……。」




その言葉を聞いて。


私は右手を振りかぶったまま、急速冷凍されたみたいにピタっと体が強張る。




「嘘じゃねぇよ。
冗談でこんな頭のおかしなコト言うと思うか?」





センパイは。
そんなあたしを見て、腕をつかんだまま呆れたようにハァ~とため息を吐く。





「一ノ瀬だぞ?
相手はあの一ノ瀬理央だぞ??
俺は自分の気持ちに気づいた時、心底自分を呪ったね。
勘違いに違いないと、何度も何度も自分に言い聞かせたわ。」





そして…
心底いやそうな顔をして、辺りの草をブチリブチリとむしり取る。






「俺が好きなのは伊織。
愛してるのも伊織。
そう…最初は思ってたけど…、この3年くらい3人でよくつるんでたろ?」





「うん…。」





仁がお腹にいる時。
仁が生まれてから、この2年。


私達3人は偽装家族として、行動を共にすることが多かったし、連絡だってほぼ毎日取っていた。






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