君を想うとⅢ~True love~
「オマエにわかるか!?
この恐怖が!!」
「はぁ?」
「俺はな!!伊織みたいに可愛くて、女の子~ってタイプの子が好きなんだっ!
それなのに…それなのにっ!!」
そう言って。
キッと私を睨みつける先輩。
「何言ってんの。
あの子は結構きつくてクールな顔立ちだし、あだ名はナイスバディ子よ?
フワフワ・姫系っつったらあたしでしょうが。」
馬鹿なことを言い出したセンパイの肩をポンと叩いて、目の前にいる残念男に言い聞かせると
「アホか!!
外見じゃなくて内面のことを言ってるんだよ!
俺は素直でけなげな子が好きなんだぁ~!!!」
そう言って。
センパイは仁の体を引き寄せてギュウっと強く抱きしめる。
「仁~!
俺はこんなヤツ全っ然、タイプじゃない!!
絶対遠慮したいタイプのヤツなんだ~!!!」
ちょ…ちょっと、待て。
それが好きなオンナに対する態度かぁ~!!
イライラするあたしに
「ぱぱ~。
たいへんだねぇ。いいこいいこ。」
さめざめと泣く先輩の頭を優しくなでなでする、仁。
お、おかしいでしょう……。
突っ込みどころは多々あるけれど……
とりあえずこの空気感は確実に間違ってる!!