闇のプリンス ~オオカミと死の女神~《休載中》
いつもに増して、教室がザワザワと賑わっている。
「さ~て、いよいよ明日から冬休みだな。今年も春の学祭に向けての課題を出すぞ 」
現代文の先生の言葉に周りから「え~」という声が飛び出す。
「2人以上のグループを作って決めたテーマをまとめて提出しなさい。ちゃんと調べるんだぞ~ 」
「じゃあ、私の選んでくれるんですかぁ~? 」
みんながブーブー言っている。
「それは題材とまとめを見てからじっくり選ぶ。 以上 」
授業が終わってすぐ、優希が話し掛けてきた。
「課題一緒にやろうよ 」
「いいけど…学園祭って11月に終わったよね? 一体なんの話? 」
さっきから、頭の中が理解不能なんですけど。
「あぁ、樹里が来たのは4月だったね。うちの学校は、3月にも学祭があるの 」
そうノートを閉じて得意げな顔をする。
「卒業式が終わって、新3年と新2年が4月から頑張りましょうって意味を込めて交流会をすんのよ 」
「そんな忙しい時期に?」
少し面倒くさい顔をしてシャープペンをしまう。
「忙しいか? まあ、正確には学祭という名の演劇会なんだけどね 」