闇のプリンス ~オオカミと死の女神~《休載中》
なるほど。
ということは、演劇の出し物のテーマを決めてまとめてこいって意味だったのね。
「去年はジャック・ザ・リッパーをまとめたんだけど採用されなかったんだよねぇ 」
「ジャック・ザ…リッパー…? 」
「切り裂きジャック。知らない? 」
私はブルブルと首を振る。
なんか、雰囲気的に…
「今回は、ヴァンパイアなんてどう? 」
「ヴァッ…?! 」
言いかけて思わず途中でやめる。
「今回は適任者もいるし♪ 」
そうルキアにチラッと視線を送る。
まずいって!
あたふたしながら、横をチラ見すると、ルキアは気付いてない様子で外を眺めていた。
「それより…あぁ、そうだ! 女の子が主人公の方が…いいんじゃ… 」
ルキアがガタンと席を立ち、教室を出て行った。
今の聞こえてたのかな。
額に変な汗が出る。
「女の子? 女の子ねぇ…… 」