闇のプリンス ~オオカミと死の女神~《休載中》
「あのクリスマスパーティー? そんな人いた? 」
首を傾げながら、何故か少し胸騒ぎがした。
まさかこれから、大きく関係してくる事になるとは思いもしなかった。
大晦日を明日にひかえ、私は身だしなみを整えて
靴を履く。
「今日も優希ちゃんとお勉強? 」
お姉ちゃんが頭をかきながら玄関に顔を出した。
「今日はル…あ、他の友達と約束。夜は食べないから 」
「あ…そ。明日は一緒に年越しそば食べるんだから、ちゃんと家にいなよ 」
「分かってるって。じゃあ、行ってきます 」
まだ眠そうなお姉ちゃんに見送られて、私は家を出た。
あれから、特に何も起こっていない。
狙われてるかもしれないという警戒心も、大丈夫じゃないかという安心感へと変わりつつある。
ルキアの家が見えてきた時、草原の前に立っている見慣れぬ女の人が目に入った。
ずっとルキアの家を見ているけど、誰なんだろう。
草木を掻き分けて、近付こうとすると、女の人がふとこちらを振り向いた。
ドキ……
あまりに綺麗で、胸が張り裂けそうになった。