涙飴
あたしも、どうしていいのか分からなかった。
何だか無理に聞いちゃった気がして、申し訳なくなった。
多分、美津菜も同じ気持ちだろう。


「んだよ!そんなシンミリすんなよ!
あ!年離れすぎじゃね?とか思ってんだろ。
俺の親父再婚しててさ。
妹は再婚相手の子供。超可愛いんだ!
あ、あと晃正は多分俺のこと考えてああ言ったんだろうから、許してやって」


「どういう……?」


あたしは掠れた声で聞く。
緊張から上手く声が出なかった。


「前付き合ってた彼女にさ、『どうせ同情して欲しいんでしょ?』って言われてさぁ。
妹の世話とかでデートも全然行けなくて、理由説明したらそう言われた。

俺はそんなこと思ってないし、むしろして欲しくないし。でも周りはそんな風に見てたのかなぁって思ったらなんかショックでさ。

晃正はそれ知ってるから、だからさっきあんな風に言ったんだろ?」


鳴海が五十嵐の顔を覗き込む。
五十嵐は顔を背けながら

「別に……」

と呟いた。
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