《完》オフィスでとびきりの夜を
(ね? ――じゃないで
しょぉ〜っ。

もー、この色ボケ男っ!)



そう思うのに、実際に出る
声はなんか弱々しいものに
なっちゃってた。



「や、やだ、やめてよ。

くすぐった……」



「えー、何が?

それより、口動かしてる
暇があったら手を動かしてよ?」



ニヤッとしたイジワルな
笑みを浮かべて、そんな
こと言って……。



「で、できるわけないでしょ!

もう、ホントダメだってば
……!」



足を絡ませて、至近距離で
囁かれて。


こんな状態で仕事なんて
できるわけないじゃない――…。



「ホントにやめてってば、
瑞―――」




瑞樹、とその名前を
叫ぼうとした時。



ガチャッと、背後で
いきなりドアの開く音がした。
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