俺はお前だけの王子さま
ヒロキが女遊びを始めたのは
それからだった。


母親が消え

ユキナに裏切られ


女に裏切られ続けたヒロキ。



愛に飢えながら

女を信じられないヒロキは

ひたすら女を変えていった。







一方で俺は

欲にかられてユキナに騙された自分を恥じた。


ヒロキは俺を責めなかったけど
俺は自分を責めた。



ユキナが消えてから


ヒロキに遊ばれた女が
泣きながら俺に助けを求めてきた事があった。


軽く慰めてやったら

今度は俺に色目を使ってきた。



ヒロキを好きだと言った癖に…


吐き気がした。



全ての女が
ユキナと重なった。



それから俺は
女を軽蔑するようになった。


女について
真剣に考えるのもダルい。



どいつを見ても

下心のある笑顔

甘い声



全部に吐き気がする。





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