SugarⅡ
「うわっ、美海っちのほっぺ赤いしー…」
喧嘩を見にきた生徒をかき分けて、ドアから顔を覗かせる晴。
「何で…」
チャイムが鳴って、2人とも教室に戻ったはずなのに。
「こんだけ騒ぎになってんだぞ。 クラス違っても気付くっつーの…」
少しだけため息をこぼし、掴んでいたあたしの手を離した。
そんなにあからさまに嫌な顔しなくても、涼には迷惑かけてないのにな。
「涼には関係ないから。」
「あんの。てか原因ぐらい自分で気付いてっから。」
涼の言葉を耳に入れながら奈々を見ると、すでに晴が駆け寄った後だった。
「奈々…」
晴がポンポンと奈々の頭を撫でている姿を見ると、とても釣り合ってないなんて言えない。