SugarⅡ
痺れを切らした1人の不良が、あたしの腕を引っ張った。
―――――――バシッ!!
引っ張られた腕が、誰かによって振り払われた。
「は?」
怒っている不良。
その前には、明らかに周りにいる不良よりも小さな男の子がいた。
「なぁ、あんたら女の子1人相手に必死になりすぎじゃね?」
腕を振り払ってくれた男の子が、顔を上げた。
茶色い髪に、ピアスをはめて、スクールバックを背中に背負っている。
制服の中には、真っ赤なパーカーを着ていて、どこからどう見ても不良。
でも、周りの不良とは顔立ちが全く違う。