スカイ・ライン
「あれって飛行機雲?」
「んー? わからないけど、いいじゃんテキトーで。ってわけで、今日からあれは飛行機雲ね!」
奈緒の横顔は笑っていた。
俺もこんな風に大雑把に生きれたら、どんなに楽だろう。
きっと毎日楽しいことだらけだ。
「今日のユースケ、なんか変じゃない?」
どきりとした。
「何が」
「いつも、ああいうこと言ったら何かツッコミしてくるのに、今日は何も言わないじゃん」
「そか?」
そうだよ、と奈緒が言ったっきり沈黙が流れる。
確かに変かもしれない。
奈緒を羨ましがるなんて、おかしい。
いくら彼女に振られたといっても、変人になりたがるなんて。