スカイ・ライン

　

「うわぁ。山口さんと別れちゃうなんてありえなーい。さては、ユースケ振られたんでしょ」

「……悪いかよ」

なんでコイツが山口と付き合ってたって知ってんだよ。

ありえねぇ。


「そりゃ災難だったねぇ。せっかく可愛い子だったのに」

「うっせぇ」

「ま、大丈夫さ」

奈緒は俺の肩をポンポンと叩く。

「ユースケだったら彼女くらいすぐに出来るよ。焦らずゆっくり探しなよ」

「うん」

たまにはいいこと言うじゃねぇか。

そう思ったも束の間、奈緒はククッと笑った。

「……やっぱごめん。我慢できない」

「……え？」


その直後、ためていた物を発散するように奈緒は爆笑し始めた。

表面で励ましときながら、内心では馬鹿にしてたのかよ。

こんなことだろうと思った。




やっぱりヤだ、こんなヤツ。

ここまでデリカシーの欠ける失礼なヤツなんて俺以上に最悪だ。

一瞬でもなりたいなんて思った俺が馬鹿だった。


やっぱ俺は俺のままが一番だ。

改めてそう思った。